※注・この記事は冗談です。実際の登場人物とはなんの関係もありません(笑)
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新鋭アーティスト新譜紹介

アルバム「L'Arbre Noir」

黒木泰則プロフィール
森光音楽大学卒業。仏国立音楽院(コンセルヴァトワール)在学中に入団したルー・マルレ・オーケストラの主席オーボエ奏者を経て、2007年のARDミュンヘン国際音楽コンクールでは「ダブルリードのZEN」と絶賛され、オーボエ部門で1位なしの第2位を受賞。 現在は欧州を拠点にソリストとしてオーケストラと共演する傍ら、ベルリンのノイエ・シュテルン・ゾリステンに三木清良と共に参加し、ポール・デュボアらとCroquisQuartetを立ち上げるなど室内楽奏者としても活躍中。 今シーズンは欧州と日本でデビューアルバムの記念ツアーを行う。来年はマルチェッロを中心としたイタリア・オーボエ協奏曲集のレコーディングも予定されている。


インタビュー

Q:世界で最も難しい楽器と言われるオーボエを選んだ理由を教えてください。

「身もふたもない答えですが、出会ってしまったから、というのが正直なところです。高校時代に宮本文昭さんのリサイタルでオーボエの音色の美しさに魅入られてしまい、必死で練習して留学を目指しました。
こんなに気難しい楽器だと知っていたら、躊躇したかもしれませんが、結局はオーボエを選んでいたと思います。(笑)」

Q:今回のセレクションについて一言。

「バロックは僕の原点ですが、今回はそれと対比する意味であえてオリジナル曲を加えています。
アルバムを通して聴いてもらって、オーボエの奏でる音楽の美しさを感じて頂きたいと思っています。
実験的な試みにはまだ早いとお叱りを受けそうですが、初のソロアルバムだからこそ、今しか出来ない演奏を
ぜひ聴いて欲しいと思っています。」

Q:オリジナルナンバーは黒木さんの修行時代がモチーフと聞きました。タイトルの由来やエピソードを紹介して下さい。

「修行は多分一生終わらないのですが。(笑)今の自分があるのはパリでの留学時代のおかげです。様々な出会いの中で音楽的に沢山刺激を受け、人間的にも成長しました。公私共に大事な仲間達は今回のアルバムにも協力してくれています。
タイトルの由来ですか?語呂が良いでしょう?特に深い意味はありませんよ。(微笑)」




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今最も注目されている若手オーボエ奏者、黒木泰則。
瑞々しい音色と高いテクニックで定評のある黒木が待望のソロデビューアルバム「L'Arbre Noir」をリリースした。

指揮に千秋真一(ルー・マルレ・オーケストラ首席指揮者)、ヴァイオリンには三木清良(ノイエ・シュテルン・ゾリステン、BWV1060を除く)、フレンチ・バスーンにポール・デュボア(Croquis Quartet)など若手の新鋭との贅沢なコラボレーションでも注目されている。また、ピアノにはフランス在住のピアニスト、No Dameが参加している。(国籍など詳細は不明)

バロックに安住せずにレパートリーを広げつつある黒木の音楽観は今回のアルバムの選曲に現れており、超絶技巧のテクニックだけではなく、自分自身の音楽を表現したいという高い意欲が伺える。
バッハを中心に置きつつも、古典やオリジナル曲を緻密な構想でつなぎ、さりげなく聴かせる構成は秀逸。
いわゆるオーボエの定番曲に偏らずに楽器の多彩な魅力を伝える黒木の試みは成功したと言えるだろう。
クラシック入門者にも、器楽を知り尽くしたクラシックファンにも共に薦めたい一枚だ。

果敢な挑戦で新境地を掴んだ若き新鋭に今後とも期待したい。


黒木泰則近影 ライナーノーツ

アルバムの構成は定評のあるバッハが中心。カンタータからは21番「我は憂いに沈みぬ」よりシンフォニア、82番「我は満ちたれり」、147番「主よ、人の望みと喜びよ」と、美しい旋律で知られる曲をセレクト。優れたアーティキュレーションと繊細なフレージングは歌詞が伝わってくるようだ。透明感の中に憂いを帯びた音色と夢見るように上昇するオーボエは天上の世界をかいま見せてくれる。

「バッハのシシリアーノ」として知られるソナタ 変ホ長調 BWV1031では流麗な旋律の中の微妙な息遣いと揺らぎで人の世の哀切をにおわせた。オーボエ協奏曲(チェンバロ協奏曲 ヘ短調 BWV1056からの復元)の有名なラルゴではバッハの、祈りを捧げる人へのまなざしを思わせる暖かい音色を三木のヴァイオリンと共にゆったりと響かせた。

印象的な主題で始まるヴァイオリンとオーボエのための協奏曲 ニ短調 BWV1060では千秋が弾き振りで参加。コンチェルトの名にふさわしい緊張感のなか、ヴァイオリンは厚みのある深い音色で主張し、オーボエは音階を鮮やかに疾走しながら応じる。二人のソリストが豊かな音色で互いの旋律を追いかけ、寄り添い、折り重ね、生み出すハーモニーが美しい。黒木のソロは冴え渡り、千秋は緻密な構成の中から新鮮なバッハを描き出した。

モーツァルトの2曲で黒木は華やかな色彩感で現世の喜びを謳い、バロックとは違った魅力で聴かせた。アンダンテ・変ロ長調 K.315 (原曲:フルートと管弦楽のためのアンダンテ・ハ長調 K.315)では滑らかな旋律を流麗に鳴らし、曲の伸びやかさを余すところなく伝えた。オーボエ四重奏曲 へ長調 K.370では明るくクリアなロングトーンが印象的。アダージョでは永遠に続くような旋律を切なく歌い、全体の朗らかな響きを際立たせた。

オリジナルナンバーの2曲は黒木自身が作曲した作品。「想い出のBlue Green Days」はヴィヴァルディへのオマージュの中にユーモラスで都会的な香りを秘めた小品。デュボアとのアドリブのような軽快な掛け合いが絶妙。
最後の曲、「Bouquet de Muguet」はオルガンのような深い響きのピアノソロが、軽やかなフーガへと展開され、オーボエと溶け合うようなユニゾンで終わるノスタルジックな作品。甘過ぎない旋律とトレモロの響きがロマンチックな印象を残す。



佐久間学の夢色☆ックラシック


佐久間学

聖堂の荘厳な響きからオーボエが静かに浮かび上がり、
頬を伝う泪のように僕の胸に沁み込んだ。
その音色は七色に輝きを変えながら、自在な跳躍から空へと飛翔して、
僕を天上の世界へと連れ去った。

ああ、その清廉な音色は葦に姿を変えたニンフを乙女の姿に戻し、
甘やかな調べは百の目を持つ巨人、アルゴスをも永遠の眠りにつかせるだろう。
君の笛の魔法は二匹の蛇が宿るケーリュケイオンの杖を勝ち取ったのだ!

弦の音とともに雷鳴が忍び寄り、
孤独に震える僕は雲間から渦巻く海の底へと滑り落ちた。
君は幾多の苦難や煩悶をものともせず、砕け散る波濤を越えて僕に救いの手を差し伸べた。

オーボエの音色は胸に秘めた情熱のごとく湧き出で、
溶け合う様に弦と絡み、やがて主張を高らかに鳴らせた。
百万の軍を一騎で駆け抜けるが騎士のごとく、君は勝利の名乗りを上げたのだ!

今こそ竪琴を与えた盟友アポロンら楽聖の軍勢を引き連れ、
乾いた土に恵みの雨を降らせるのだ!
聞け、人の嘆きの溜め息を!安らかなる土の響きを!
そして天の歓喜の歌声を!


新しいタイプのオーボエ奏者として今後の活躍を期待しています。(訳・河野けえこ)

文責/ろめいんれたす 写真/かもかも

この企画のきっかけは昨年末まで遡ります。主催者・かもかものサイトでキリ番をゲットされたろめいんれたすさんに、イラストのリクエストをして頂いたのですが、その内容が「黒木デビューCDのジャケット写真」というものでした。それだけでなく、私のイメージがしやすいようにと、架空のクラッシックライフ記事までつけてくれたのです! 感激した私は「ぜひ文章も載せさせてください!」とお願いしたところ、わざわざ書き直しまでしていただきました。そして私はそのお宝原稿を抱えたまま、今日まで来てしまったわけです・・・。企画を楽しみにしてくださった方々、遅くなってすみません! そしてろめいんれたすさん、本当にありがとうございました!!
ろめいんれたすさんのblog:INTERMISSION

※キリリクイラストの詳細は「青緑生活」でご覧ください。(「Pictures」のコーナーにあります)
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